画像: Lording

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イメージソースの体験の作りかた

2017.07.18
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  • Workshop

2017年からD2Cグループに加わりましたIMG SRC (イメージソース)です。
1998年に創業し、WEBを始めインタラクティブな領域で活動してきましたが、これまで培ったクリエイティブなノウハウと、D2Cのマーケティングやメディアの領域を組み合わせ、より包括的なソリューションで課題解決に取り組んでいきます。今後とも宜しくお願い致します。今回、初めての寄稿ですので、IMG SRCの紹介がてら、私たちが考えるものづくりへの取り組みについてお伝えしたいと思います。

「R&D思考で進めるものづくり」

IMG SRCは、長らくインタラクティブな領域で活動してきました。WEBに始まり、そのノウハウをリアルな場所へと応用し、台頭する様々なスマートデバイスにも触れながら、デジタルクリエイション全般へのノウハウを蓄積してきました。その中で、テクノロジーと密接なポジションにいる私たちは、より早く先端技術に触れていくことの重要性を感じ、自主的な開発を定期的に行っています。そのテクノロジーでどんなことができるかを自分たちが知るためのプロトタイピング、さらに、アイデアを加えて披露する場を設けて、使う側の人たちに実際に触れてもらって、どんなものなのか体験を通して理解してもらいます。これにより、広告やキャンペーン、イベントへの応用や製品化の可能性が生まれます。披露するアイデアには、ちょっと先になる展開時期を見据え、触れる側が、楽しい、新しい、などちょっと未来のスタンダードとも呼べる新鮮な体験であることが重要になってきます。

▲Photo Circuit
円形状に配置したカメラで360度撮影できる体験ブースを自社開発した。Roppongi Art Nightに出品。

▲dTV TOKYO COMIC CON
キャラクターに扮した姿を360度撮影が体験できるブースに応用。

考えて作る、をショートサイクルで繰り返しながら形にしていくR&Dのスタイルは、クライアントワークにも生かされています。プロトタイプのアップデートを繰り返しながら最終的なプロダクトに近づけていく作業は、ユーザーテストや隠れた問題のあぶり出しなど、複数の行程を効率的にこなしていくことに繋がります。仕組みは複雑化し、インターフェイスは自然化していくなど、変化し続けていきます。そんな中で新たな体験を作り上げていくには、行程そのものから考えていくことも必要になってきます。

「UXに多角的な視点で向き合う」

イメージソースが活動する領域で重要となる要素が「UX」と言えます。しかし、人によって解釈が変わる言葉にもなってきました。イメージソースとしてこの広い解釈をしっかりと理解して対応していくには、何らかの形で学ぶ必要がありました。そのための取り組みの一つが、6月にスタートした「UX WEDNESDAY」です。UXをテーマにしながら、様々な領域で活躍されている方々をお招きし、お話を伺う講義形式のプログラムです。社員だけでなく興味のある方なら誰でも参加できるスタイルにし、学びだけでなく、いろんなコミュニケーションが生まれる場になるようにしました。今回は、ものづくりの視点、ものがたりの視点、ビジネスの視点、からUXを考察しました。

今回行った講義の模様を少しご紹介します。

▲UX WEDNESDAY Vol.1 弱さとUX / 講師:岡田 美智男 (豊橋技術科学大学 教授)

不完全な機能を持つ「弱いロボット」の開発者として著名な岡田教授をお招きし、ご自身の研究分野でもあるロボティクスの視点からお話を伺いました。弱いロボットがもたらすものは、とてもユニークで人間的なコミュニケーション。数々の研究から得られたたくさんの知見を与えて頂きました。ローテクを纏うことでガラッと変わるコミュニケーションは、これからの体験を考えていく上で非常に重要な視点の一つとなりそうです。

▲UX WEDNESDAY Vol.1 わかりやすさとUX / 講師:玉樹 真一郎 (八戸学院大学・学長補佐/ビジネス学部特任教授 わかる事務所代表)

“UXで欠かせないものは「時間」と「文脈」だ” と語るのは、全世界で1億台を売り上げたゲーム機、任天堂「Wii」の開発や、現在は様々な企業へのコンサルティングを手掛けるプランナー・玉樹さん。世界的ヒットを成し遂げたゲーム機の開発や、日々のプランニングで大切にしている「時間」と「文脈」という考え方がもたらす、UXには欠かせない“ わかる” 体験について実例を交え語っていただきました。自然と引き込まれていくトークやスライドの展開は、まるでゲームを体験しているかのよう。講義時間をふんだんに使って、有益かつ膨大な情報量を与えて頂くなかで、ゲームとはUXの固まりなんだと気づかされます。ユーザーの感覚に与える情報をコントロールしながら、時間と文脈を作り出して「わかる=おもしろさ」を与えていく、玉樹さんならではの様々なテクニック。イメージソースが活動する領域に必要不可欠な視点を、再確認、発見する貴重な時間となりました。

▲UX WEDNESDAY Vol.1 コマースとUX / 講師:康井 義貴 (Origami 代表取締役社長)

話題の次世代スマホ決済サービス「Origami Pay」を手掛ける株式会社Origami代表取締役社長の康井義貴さんをお迎えし、コマースを通じて消費者とお店をより近づけるためのUXについて、社長自らUXの視点を大切にするOrigamiだからこそ提供できる体験を軸に、新たなショッピング、そして新たなUXというテーマでお話しいただきました。ビジネスモデルから考えるOrigamiならではの体験設計。我々ではなかなか獲得できない新たな視点を与えていただきました。ライフスタイルを変えるレベルのUX。まさにイノベーション。とてもインパクトのあるお話でした。

イメージソースではこのように、外部を巻き込んで知見を得ていく学びや、自分たちのR&Dによる発信など、ものづくりに必要なインプットからアウトプットまでを視野に入れた様々な取り組みを行っています。

8月に、現在制作中のプロトタイプを披露する機会を予定しています。拡張空間をテーマに、いくつかのアイデアをプレゼンテーションした上で、ここでの体験者の声や行動を生かし、さらにプロダクトとしての精度を高めていき、次の展開を開拓していきたいと思っています。

この展示の模様や制作するプロトタイプについても、今後お伝えしていきます。

イメージソースでは今後も、スクールや展示を定期的に開催していきます。サイトやSNSでお知らせしていきますので、ぜひチェックしてください。